日本での博士在学中の研究の紹介

日本での博士学位論文の研究の紹介

在日本博士在学期間的研究項目介紹

九州工業大学大学院機械知能工学研究府博士前期課程3年 栗文彬

    私は中国からの留学生です。2006年7月に私は中国農業大学理学院固体力学専攻修士卒業しました。2006年8月中国北京市北重気輸電気有限会社に入社して、風力発電事業部の研究開発の強度設計部門の解析を業務として行いました。
  我是来自中国的留学生。2006年7月毕业于中国农业大学理学院固体力学专业。2006年8月进入北京北重汽轮电机有限责任公司的风电事业部工作,主要从事风电结构的强度设计解析等工作。



自己紹介
  2008年8月私は産学連携研究員として日本に来ました。経済産業省のプロジェクトに参画して、高品質自動車めっき鋼板用セラミックス製ロールの開発を行いました。
  このプロジェクト終了後、その分野の研究を続けたいため、2010年4月に博士後期課程に入学して、焼嵌め接合からなる大型円筒セラミックス構造物の強度設計及び解体に関する博士学位論文をまとめました。


自我介绍
  2008年8月我作为产学合作研究员来到日本。参与了由日本经济产学省发起,日立金属公司的高品质汽车镀金钢板用陶瓷材料轧辊开发的项目。
  在项目结束之后,因为想继续这个领域的研究工作,2010年4月博士入学,作为博士学位论文,做了关于大型烧嵌接合的陶瓷结构的强度设计以及解体相关的研究工作。



博士学位論文の研究の紹介
  製鉄機械には鋼製のロールが多く用いられていますが,寿命が短いのでコストと手間をかけて交換する必要があります。そこで、
 ①連続溶融金属めっき用ロール、
 ②連続酸洗設備用ロール、
 ③搬送用ローラーを対象して、
大型セラミックス構造物の強度設計に関する問題に取組みました.


引进的博士论文
  冶金机械行业,使用比较多的是钢制辊子,不过使用寿命比较短所以造成高价和更换花费更多的工夫。因此、博士期间主要的研究内容是以连续熔化金属镀金用轧辊、连续酸洗设备用轧辊和传送辊为对象、主要着眼于大型烧嵌接合陶瓷结构物的强度设计的问题。


  先ず、胴部スリーブとシャフトとを焼嵌め接合にて組立てたセラミックス製シンクロールを溶融亜鉛溶槽に浸漬する際に生じる熱応力を解析しました.そのために必要な熱伝達係数も併せて解析し,その特徴を考察しました.このような焼嵌めで構成された円筒体の浸漬の熱応力解析は初めてです.①ロールを溶融亜鉛に浸漬する過程において,シャフトとスリーブとの焼嵌め接合部は,浸漬が進行するにつれて浸漬が先行するスリーブ下部から分離していき,全体が浸漬すると,スリーブの膨張により,50%以上が非接触状態になります.さらに浸漬が続くとシャフトも膨張するため,接触状態が回復していきます.②焼嵌めロールのスリーブに生じる浸漬時の最大応力はセラミックスの設計強さより小さく,熱割れに対して安全です.③単体スリーブの焼嵌め接合部を断熱した場合, 最大応力は焼嵌めロールの応力値とほぼ一致します(図に示すように).このことから,単体スリーブの解析により,焼嵌めロールのスリーブ部の応力状態を安全側で予測できることが分かりました.
 
  首先,套筒和轴部烧嵌接合的陶瓷导辊在浸入熔融锌镀液槽时产生的热应力的解析,以及必要的热传导系数的解析以及特征的考察。这部分的要点是烧嵌接合圆筒结构浸入熔融金属时的热应力解析。①辊子在浸入熔融金属的过程中,轴部和套筒的接合部从最先浸入的套筒的下部开始先产生分离。随着整体的浸入,套筒开始膨胀,产生了50%以上的分离。继续浸入的进行使得轴部进一步的膨胀,轴部和套筒重新恢复到接触状态。②浸入过程中套筒产生的热应力小于陶瓷的设计强度,结构的安全可以保证。③单体套筒在接合部分是断热的情况下,最大应力跟导辊的应力值基本上是一致的。因此,可以通过单体套筒的解析来预测导辊在浸入过程中的安全性。


  次に,連続酸洗設備用ロールに用いられる小径軸付大径ロールに注目して,セラミックス製スリーブの両端にセラミックス製スペーサーリングと鋼製軸を焼嵌めで接合する構造を考え,疲労を中心とする強度について検討しました.このような三つの部品から構成されたロールの強度設計は初めてです.その結果,①スリーブが薄い場合は,通常の焼嵌めと異なり,スリーブ外面に最大応力が生じるので設計上の注意が必要なことを指摘すると共に,②スリーブが薄い場合でも焼嵌め率をむしろ大きくすることで,瞬時破壊や疲労破壊防止に有効であることを,焼嵌め部の接触状態から説明しました.

 
  其次,着眼于连续酸洗设备用轧辊,考虑陶瓷套筒两端间隔环烧嵌接合的结构,探讨了结构的疲劳强度。这个部分的要点是三个部件组成的轧辊的强度设计。①套筒厚度比较薄的情况下最大接合应力出现在套筒的外表面,这是在设计上需要注意的;②即使套筒比较薄的情况,增大烧嵌率可以有效的防止瞬时破坏和疲劳破坏,这一点可以从接触状态来加以解释说明。


 

  最後に,セラミックス製スリーブの両端に鋼製軸を焼嵌めで接合する搬送用ローラーを対象として,消耗の早い鋼製軸の嵌め替え時に必要な軸の取外しとその際の熱応力について検討しました.まず,スリーブ外側から加熱し,軸内側を水冷する(図の示すように)ことによって,実体モデルが分離可能であることを示しました.そして,雰囲気温度の上昇が速く,焼嵌め率を小さく,スリーブ外径を大きく,軸嵌め込み厚さを小さく,セラミックス製スリーブを低熱伝導率にすることで,いずれの場合も分離時間と熱応力が低減できることを示しました.さらに,実体ローラーモデルの分離プロセスは複雑であるため,二重円筒モデルで単純化して検討しました.これにより,分離メカニズムより理解しやすいようと考えられました.
  図の示すような二重円筒モデルは実体モデルとは境界条件が似ているため,分離過程と熱応力の時間変化は同じように示している.

 

  最后,陶瓷套筒两端通过烧嵌接合钢轴的传送辊为对象,讨论了在维修时解体条件以及解体过程的热应力问题。首先,通过套筒外侧加热,轴内侧水冷,可以实现实体模型的分离。然后,加热温度上升的快,小的烧嵌率,大的套筒外径,小的接合部的轴部的厚度以及低热传导率的陶瓷套筒等的情况都可以缩短分离时间并减小热应力。另外,考虑到实体模型的分离情况的复杂性,使用简单的双层圆筒作了讨论,这样可以更好的理解分离原理。
  如图所示的双层圆筒模型跟实际辊子的边界条件很相似的原因,两个模型的分离过程和热应力的时间变化曲线同样也很类似。


  経済産業省のプロジェクトのメンバーは平成22年度第26回素形材産業技術賞(財)素形材センター会長賞を受賞し,その技術は広く注目されるようになりました.私の研究は大型セラミックス構造物製品設計技術(製品解体技術も含む)の確立に貢献でき,めっき用セラミックスは実用化に成功しました.


  参与的经济产业省的项目获得了2010年第26回素形材产业技术奖的素形材中心会长奖,使得这项技术得到了广泛的关注。为大型陶瓷结构产品的设计技术(包括产品解体技术)的确立做出一定的贡献,成功的实现了镀金用陶瓷的实用化。


謝辞
  四年間ぐらいご指導を頂いた野田尚昭教授に心より感謝の意を表します。また,弾性力学研究室の皆様の生活や研究面でのご支援と激励に感謝いたします。


致谢
  对于四年间给予指导的野田尚昭教授致以衷心的感谢!同时感谢弹性力学研究室的所有成员给我在生活和研究方面的支持与鼓励。



現在はRomaxに就職しています。