Tribology Laboratory

国立大学法人 九州工業大学大学院工学府 工学専攻 機械工学コース

トライボロジー研究室の研究活動

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はじめに

九州工業大学トライボロジー研究室では、機械要素の機能・性能・信頼性・寿命などの向上を図るべく、トライボ要素の潤滑機構、ならびに表面損傷機構の解明に立脚して、新しい設計指針・概念、および新材料を提案・確立するための研究を行っています。


研究分野

設計工学、機械機能要素、トライボロジー(注1)
(注1)トライボロジーとは、摩擦、摩耗、潤滑など、界面間に発生する現象を総合的に取り扱う学問領域のこと。
(キーワード)トライボロジー、コーティング、硬さ試験、粗さ、接触問題、寿命、付着強度


研究概要

[1] 反発硬さ試験機の新しい展開

 測定が簡便・迅速に行えるという特長を活かしつつ、かつ被膜の硬さや付着強度などの評価にも、応用可能な汎用性の高い反発性硬さ試験法の確立を目指した研究に取り組んでいます。

[2] 表面損傷

 転動接触疲労き裂や、超硬合金の硬質材摺(しゅう)動面き裂、繰り返し衝撃損傷や電食(注3)などの発生機構の解明、並びにそれらの発生防止を目的とした潤滑方法・耐損傷材料の開発のための新概念の確立を図りつつあります。
(注3)電食とは、二面間に電圧が印加された場合に発生する摩耗。

[3] 高機能トライボ材料の開発

 表面被覆材の機械的特性評価法の確立を基礎に、宇宙空間のような極限環境下で安定作動可能なトライボ材料の開発を図るための基礎研究を行っています。

具体的な研究テーマ

規則性凹凸面の真実接触面積と摩擦特性

トラクション係数に及ぼす潤滑油のレオロジー特性

二硫化モリブデンスパッタ膜の膜性状と潤滑特性

咀嚼回数検出装置の開発

点接触弾性流体潤滑域での温度分布

高性能2輪車サスペンションの研究

尖端圧子ハンマを用いた反発硬さ試験とその応用



特徴ある実験機器、設備

レーザドップラー振動計を用いたハンマ挙動測定装置

表面形状測定機器

繰返し衝撃試験装置

スパッタリング装置

摩擦・摩耗試験機



知的財産権(技術シーズ)

「応力ひずみ曲線の推定方法」(特許第7152767号(2022))

「測定物の表面状態試験方法及びその表面状態試験装置」(特開2009-063438)

「測定物の表面状態試験法」(特許第4125625号(2008))

「咀嚼(そしゃく)回数検出装置」(特許第3766973号(2006))

「咀嚼(そしゃく)回数検出装置」(特許第3619835号(2004))



過去の共同研究、受託研究、産業界への技術移転などの実績

硬さ試験を利用した表面被覆材の機械的特性評価法の確立

転がり、滑りおよび衝突運動下の表面損傷発生機構の解明(2008))

トライボロジー特性に優れた固体潤滑膜の開発