RESEARCH

ハロゲン化ペロブスカイト薄膜の熱電変換応用

塗布できる材料ハロゲン化ペロブスカイトを熱から直接発電する熱電変換に応用する研究を進めています.
S. Saini et al., MRS Advances, Vol.4(30) (2019) pp.1719-1725.など

沸騰熱伝達現象のメカニズム解明

MEMS技術によって薄膜温度センサを作製し,沸騰の熱の流れを計測しています.
これにより,ミクロ液膜の形成・ドライパッチの形成・リウェッティング現象等の特性が明らかとなってきました.

T. Yabuki et al., International Journal of Heat and Mass Transfer, Vol.76, pp.286-297(2014).など

気液流動方向分離によるプール沸騰限界熱流束促進

銅粒子の三次元構造多孔質体を用いて発生蒸気と液体の流動方向を分離し,一般的な沸騰熱伝達における限界熱流束1.2MW/m2の約2.4倍に相当する限界熱流束2.9MW/m2を得るに至っています.

K. Kawano et al., Workshop on Thermal and Charge Transport across Flexible Nano-interface (2019) など

3ω法による薄膜の熱伝導率計測

上:測定用サンプル 下:3ω信号

膜厚の熱伝導率を3ω法により測定しています.この計測により,薄膜型熱電デバイスの熱電特性評価が行えるようになっただけでなく,ナノ構造を持つ薄膜の熱伝導率計測を通し,ナノ構造のおける熱輸送の詳細を調べられるようになっています.

L. Tranchat et al., Nano Letter, Vol.19(10), pp.6924-6930 (2019)
M.Takashiri et al., Journal of Applied Physics, Vol.100, 054315 (2006).など

ナノ構造の熱伝導解析

計算で得られたフォノンの分散関係(縦波).右から,単結晶,周期孔構造,ランダム孔構造

フォノン輸送計算で必要なフォノンの特性を分子動力学法により計算している.これにより,ナノ孔構造がフォノンの群速度を低下させるなど,フォノンの弾道輸送以外にもナノ構造が熱伝導率を低減させるメカニズムが明らかとなってきました.

Koji Miyazaki et al., Journal of Heat Transfer, Vol.134, No.5 (2012) 051018.
Koji Miyazaki et al., IEEE transaction on CPMT, 29(2) (2006) pp.247-253.
宮崎 康次,応用物理,Vol.78, No.6 (2009) pp.527-530.など

マイクロ構造表面の熱ふく射特性

マイクロ構造表面を作製し,光の干渉を利用して人工的に熱ふく射特性を生み出す研究を進めています.太陽熱の有効利用や放射冷却への応用が期待されます.

M. Kihara, International Journal of Thermophysics, Vol.29, No.6, pp.2136-2148(2008).
宮崎 康次,フォトニック結晶による選択波長放射,伝熱,Vol.50, No.210, pp.13-17 (2011)など